相続税申告は、定められた期間内に申告だけでなく納付まで行う必要があります。しかしながら、相続税申告および納付を終えた後に、納付額が本来の金額よりも少なかった、または多かったことが発覚するケースもあります。
そのようなときに必要な「修正申告」と「更正の請求」について、ご紹介いたします。
納付額が不足したときに行う「修正申告」
申告後に新たな財産が見つかった場合や、申告期限までに協議がまとまらず、法定相続分での申告後に再申告をした場合など、納めた金額が本来納めるべき金額に不足していたときには、「修正申告」を行い、不足分の金額を追加で納付します。
修正申告が必要なケース
相続税納付額の不足が発覚する理由はさまざまですが、修正申告が必要となるケースとして以下のようなものが挙げられます。
- 申告期限内に遺産分割協議がまとまらないため、ひとまず法定相続分で相続税額を計算し、期限内に申告納税した。その後、遺産分割協議が成立し、実際の取得額をもとに計算しなおしたところ、はじめに申告納税した金額よりも高い相続税額となった
- 申告納税後に一部の財産の計上が漏れていたことが発覚した
- 申告納税後に新たな相続財産がみつかった
- 大した価値はないと思っていた財産が、想定以上に価値が高かったことが後から発覚した など
上記のうち(1)については、申告期限に間に合わせるためにやむを得ず修正申告が必要になるケースといえますが、その他については事前に財産調査をしっかりと行えば防ぐことができるため、あらかじめ漏れなく財産調査を行っておくことが重要です。。
修正申告は早急な対応が必要
修正申告書には特に提出期限の設定はありません。しかし、期限が定められていないからといって後回しにすることはおすすめできません。なぜなら、修正申告が遅くなるとペナルティの負担が大きくなる恐れがあるからです。
相続税の納付が遅れると延滞税が発生しますが、この延滞税は申告期限の翌日から不足分の納付までの日数に応じて課税されます。また、申告期限の翌日から2か月を経過してしまうと延滞税の税率が上がるため注意が必要です。
なお、税務調査の前に不足分に気がつき自ら修正申告を行えば、ペナルティは延滞税のみとなりますが、税務調査によって納税額の不足を指摘されてしまうと、延滞税だけでなく過少申告加算税も課税されてしまいます。
ペナルティの負担を少しでも軽くするためにも、納税額の不足に気づいた段階でできるだけ早く修正申告を行いましょう。
納付額が多すぎたときに行う「更正の請求」
相続税申告を終えた後に、本来納付すべき金額よりも多く納めていたことが発覚したときは、更正の請求を行います。更正の請求は、納め過ぎた金額を税務署から還付してもらうための手続きです。
更正の請求が必要なケース
修正申告が必要となるケースとして以下のようなものが挙げられます。
- 申告期限内に遺産分割協議がまとまらないため、ひとまず法定相続分で相続税額を計算し、期限内に申告納税した。その後、遺産分割協議が成立し、実際の取得額をもとに相続税額を計算しなおしたところ、はじめに申告納税した金額よりも低い相続税額となった
- 遺贈を受ける人が、遺贈を受ける権利を放棄した
- 相続税の申告後に、遺言書が見つかったり、遺留分侵害額の請求があったりして、取得する財産額に変動が生じた など
更正の請求の期限に要注意
更正の請求は、原則として「法定申告期限から5年以内」に行わなければ認められません。
法定申告期限は「相続の開始を知った日の翌日から10か月」となっており、そこからさらに5年が更正の請求の期限ということになります。ただし、特殊な事由がある場合には、期限後の更正の請求が認められる場合もあります。
相続税申告後の修正申告や更正の請求が設けられているとはいえ、これらが必要となるのは、多くの場合が事前の相続人や相続財産の調査に抜け漏れがあった場合です。とはいえ、相続税には10ヶ月の期限が設けられているため、この期限内に迅速かつ正確に相続人や相続財産を把握するのは簡単ではありません。
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